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Business Report
ビジネスレポート

2021.07.15

【飲食店舗を独自分析】立地や業態による生存率の違い

サマリー

  1. 1. はじめに
    2. 「SS利用者」と「一般的な全国の飲食店舗」の生存率の比較
    3. 業態別の生存率について
    4. まとめ

1. はじめに

店舗流通ネットが手がける店舗リース事業ショップサポートシステムを利用した飲食店舗(以下、SS利用者)は、2021年2月末に3,518店舗を超え、コロナ禍においても安定したサポートを続けている。 店舗流通ネットでは今年度より、SS利用者の多彩なデータを四半期ごとに分析・公表している。なお、SS利用者は三大都市圏を中心とする主要鉄道駅から徒歩4分圏内が87.1%を占め、ほとんどが駅前立地である。

今回は、何年間営業を継続できるかという『生存率』の視点で、「SS利用者」と「一般的な全国の飲食店舗」との業態別の生存率を検証した。

■前回(2021/4/14公開)のレポート コロナ禍における駅前中小飲食店舗の独自データ分析『業態と立地による売上高比較』

 

2.「SS利用者」と「一般的な全国の飲食店舗」の生存率の比較

飲食業界は、3大都市圏のみでおおむね2,000億円の市場規模という巨大な市場であるが(※図1)、他の業界よりも廃業率・開業率ともに高い(※図2)。

【図1】

【図2】

上記を踏まえ、一般的な飲食店舗とSS利用者の生存率を比較した。

 

  1. 【データ1】サポート店舗のデータ
  2. ■データ期間:2015年1月~2019年12月
  3. ■対象店舗数:629店舗
  4. ■業態:46業態
  5. ■エリア:全国
  1. 【データ2】一般的な飲食店舗のデータ
  2. ■データ期間:2015年10月~2018年9月
  3. ■業態:11業態
  4. ■エリア:全国
  5. ■データ対象:店舗査定における調査データ
  6. ■出典:シンクロ・フード株式会社 調べ

 

一般的な飲食店舗の生存率を表す公的なデータは存在しないため、2019年10月4日にシンクロ・フード社が発表した「閉店までの営業年数」のデータを引用した(対象期間2015年10月~2018年9月)。 一般的に飲食店舗は「7割が3年未満で閉店する」といわれているが、シンクロ・フード社のデータでは、3~5年で70.4%が廃店するという結果が出ており、一般的な経験則よりも生存率がやや高いのが実態であることがわかる。

一方で、SS利用者においては、一般的な飲食店よりも5年以内の生存率が最大36.3%も高いという結果となった。

SS利用者は、87.1%が鉄道駅から4分圏内の立地であり、一般的飲食店舗と比べ好立地といえる。これが生存率を押し上げた要因と考えられる。

 

3. 業態別の生存率について

本調査では、業態の違いによる生存率についても比較・検証を行った。なお、個別業態の分析においては、チェーン店舗等の大型の統廃合が大きく影響するため、大型の統廃合店舗については除外して算出した。 SS利用者のうち、生存率が一番低いのはカレー業態であった。カレー業態は、SS利用者の平均を大きく下回るだけではなく、一般的な飲食店舗を下回ることもある結果となった。カレーは国民食であり需要が高いと思われるが、カレー業態独特の4つの特性により生存率が低くなったと考える。

1.他業態でも提供している
カレーは、カレー業態だけでなく、大手牛丼チェーンやそば屋の店舗においても提供を受けることができる。特に牛丼チェーンでは、安く・早く・近くで手軽に、満足度を満たすレベルのカレーを提供している。

2.家庭で食べる機会が多い
カレーは家庭でも作りやすく、複数日にわたって食べることが比較的多い。

3.レトルトカレーのクオリティも高い
クオリティの高さに加え、トッピングなどのカスタマイズが家庭でも容易にできる。

4.単価が上がりづらい
カレーはお酒との相性が良くないため、酒類販売による単価の底上げ効果が期待できない傾向にある。

 

以上4つの理由により、カレーを食べると決めたとしても、「カレー業態の店舗の選択」に至るまでの道のりが他業態より長い。

 

4.まとめ

好立地にあるSS利用者の店舗は、一般的な飲食店舗と比べ生存率が13.3~36.3%高いということが、定量的に立証できた。TRNグループには、創立以来20年間積み上げてきたマーケティングデータに基づき活動する、店舗開発に専門特化したプロフェッショナルチームが存在する。これまでの実績が評価され、好立地物件を安定的に供給することができている。

今後も店舗流通ネットでは、弊社のデータを四半期ごとに公表し、外食産業市場全体の活性化と持続可能な事業への活用に貢献するために有効活用していく。

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